箕面レディースクリニックでは妊娠12週前後に妊娠初期検査として血液検査を受けます。
この時に受けられる検査には必ず検査を行うものと任意で検査を行うものがあるので、その内容についてまとめていきます。
▼関連記事▼
箕面レディースクリニックの妊婦検診の費用やスケジュール
スポンサーリンク
目次
必ず検査するもの
血液型・貧血
ママの血液型と貧血があるかどうかを調べます。
貧血がある場合は、胎児死亡や低出生体重児、未熟児の頻度が高くなる可能性があるため、鉄剤の処方や食事指導を受けます。
梅毒
胎盤を通して胎児が感染し、感染すると先天性梅毒症候群(胎児奇形等)になります。
治療をしないと胎児死亡の原因となる事があります。
梅毒に感染していても13週までは胎児への感染率は低く治療も効果が出やすいと言われています。
治療としては、ペニシリンを中心とした抗菌薬投与を行います。
B型肝炎ウィルス抗原
分娩時に予防策を取らないとほとんどの赤ちゃんが母子感染すると言われています。
赤ちゃんが感染するとウィルスに感染した状態が持続しますが、現在では母子感染対策の徹底で出生時の感染はほとんどないと言われています。
B型肝炎に感染している場合は、妊娠後期んい経口抗ウイルス薬を服用したり、産後12時間以内に赤ちゃんへの予防接種を2回打つことで90%以上の確率で母子感染を防ぐことが可能です。
間接クームステスト
血液型不適合妊娠(胎児貧血・胎児水腫等)の早期発見に有効です。
血液型不適合妊娠の場合、妊娠中に数回検査を行い異常がなければ通常通り出産を行います。
また、産後72時間以内に抗Dグロブリンの注射を打つことで次回の妊娠時に血液型不適合妊娠による胎児新生児溶血疾患を起こす可能性を低くすることができます。
血糖値
妊娠糖尿病の発見に有効です。
もし妊娠糖尿病が悪化するとママには妊娠高血圧症行軍や流産早産、赤ちゃんには奇形や胎児機能不全・子宮内胎児死亡などの合併症が起こると言われています。
なので、自己血糖測定や食事療法を行い、それでも改善されない場合はインスリン注射で血糖値を下げていきます。
HTLV-1(成人T細胞白血病ウィルス抗体価)
感染している場合は、母乳から母子感染するため、授乳の中止や母乳凍結処理をすれば赤ちゃんへの感染はほとんどないと言われています。
子供の時にHTLV-1に感染すると将来白血病やリンパ腫のような血液のがんの一種であるATLを発症する危険性があります。
ただ、妊娠・出産に悪影響をもたらすことはなく出産も通常分娩と変わりなく行うことができます。
トキソプラズマ抗体価
妊娠初期に罹ると胎児に先天性トキソプラズマ症(胎児奇形等)を引き起こすことがあります。
陽性の場合、胎児感染の有無を調べて必要に応じて治療を行います。
陰性でも、トキソプラズマに感染している肉を十分に加熱せずに食べたり、土いじりをしたり、トキソプラズマに感染している猫の糞に触れることで感染することがあるので妊娠中は注意しましょう。
HIV
妊婦が感染していた場合、約30%の確率で赤ちゃんに感染すると言われています。
もし感染していた場合は、ママは妊娠中から、赤ちゃんは生後6週間、抗ウイルス薬を服用します。
また、出産は分娩時の感染を防ぐために帝王切開が推奨されていて、母乳からの感染を防ぐために粉ミルクを使用します。
C型肝炎ウィルス抗体価
血液を介して母子感染や家庭内感染を起こすと言われています。
授乳では感染しないと言われていますが、ママの乳首に傷があったり血が出ている場合は傷が治るまでは授乳は控えましょう。
スポンサーリンク
C型肝炎に感染していても約95%の子供は感染せず、感染したとしても2歳頃にはウイルスが体外に排除され陰性になることが多いと言われています。
また、子供の時は肝臓の病気は進みにくいため成人してから治療することが可能でC型肝炎の治療は急速に進んでいることからそこまで心配する必要はないのかもしれません。
甲状腺機能スクリーニング
妊娠初期に甲状腺機能異常があると、妊娠中毒症や流早産が起こりやすいため妊娠中に治療することがあります。
甲状腺機能亢進症の場合は、抗甲状腺薬(チアマゾール・プロピルチオウラシル)を服用しますが、妊娠初期にチアマゾールを服用と赤ちゃんの形態異常(後鼻孔閉鎖症・食堂閉鎖症・臍帯ヘルニア・頭皮欠損など)の関連が指摘されているため、少なくとも妊娠4~7週は使用しないほうが無難とされています。
甲状腺機能低下症の場合は、甲状腺ホルモン剤を服用することで流早産率が低下すると言われています。
風疹抗体価
妊娠期に罹ると胎児に先天性風疹症候群(難聴等)を引き起こすことがあります。
先天性風疹症候群が起こる頻度は妊娠週数が早いほど高く、妊娠4~6週では100%、妊娠7~12週では80%、妊娠13~16週では45から50%、妊娠17~20週では6%、妊娠20週以降では0%という報告があります。
風疹の抗体が低い場合、妊娠中に予防接種を受けることはできないため、予防が重要になってきます。
麻疹抗体価(はしか)
妊娠中にかかると重症化しやすく、流早産を起こしやすくなると言われていますが、胎児奇形を引き起こす可能性は低いと考えられています。
麻疹も妊娠中に予防接種を受けることはできないため、予防することが重要になってきます。
クラミジア抗原
妊婦の3~5%が感染していると言われていて、流早産率が高くなったり赤ちゃんに感染して結膜炎や肺炎の原因になったりすることがあります。
もし感染していても、妊娠中に治療をすることで出産時の赤ちゃんへの産道感染を防ぐことが可能です。
任意で検査をするもの
ムンプスウィルス抗体価(おたふくかぜ)
800円
妊娠中にかかると重症化することがあり、流産率が高くなると考えられていますが胎児奇形を引き起こす頻度は少ないと言われています。
もし抗体がない場合、妊娠中に予防接種を受けることはできないため、予防が重要になってきます。
水痘ウィルス抗体価(水ぼうそう)
2,300円
妊婦が罹ると重症化しやすく妊娠前半期に罹ると先天性水頭症症候群、分娩直前に罹ると新生児水痘等を引き起こすことがあります。
もし抗体がない場合、妊娠中に予防接種を受けることはできないため、予防が重要になってきます。
サイトメガロウィルス抗体価
2,300円
日本人の70%が抗体をもっていますが、抗体のない妊婦が感染すると、胎児に先天性サイトメガロ症候群を引き起こすことがあります。(発育遅延、感音性難聴等)
サイトメガロウイルスは幼児の唾液や尿から感染することがあるので、2人目以降の妊娠時や保育関係の仕事をしている場合は特に注意が必要です。
抗体を持っていてもまれに再発する可能性があるそうなので子供のお世話をするときは手洗いの徹底や食べ物の共有などは避けましょう。
もし妊娠中に感染し、先天性サイトメガロ症候群を引き起こした場合は、赤ちゃんへの早期の治療が大切になってきます。
感染しているかを調べるためにも、感染していない場合は予防策を意識するためにもできるだけ多くの方に受けてほしい検査です。
まとめ
箕面レディースクリニックで受けられる初期検査には必ず検査を行う13種類と、任意で受けられる3種類があります。
任意で受けられるものは、補助券が出る自治体によっては別に料金がかかることがありますし抗体価を調べたところで妊娠中に予防接種を受けられるものでもありません。
ですが、もし妊娠中に罹ってしまい赤ちゃんに異常が出た場合に原因の早期発見に繋がり適切な治療を受けることができるのでぜひ受けることをお勧めします。
スポンサーリンク